兼高かおるさん

兼高かおるさんがお亡くなりになられました。享年90歳…。

実は、私は今から19年前の2000年、兼高先生に20日間 ご一緒させて戴いたことがあるのです。読売旅行様から声を掛けて戴いて、《21世紀を世界で始めて迎える飛鳥のクルーズ》に同船させて戴きました。当時はまだ今のようなクルーズブームもなく、クルーズを心から愛される方がゆったりと乗船される時代でした。

その時私はまだ30代半ば、女性講師が3名だけという事もあり、20日間ご一緒させて戴きながら、多くの事を教えて戴いた貴重な経験をしております。兼高先生は、子供の頃からずっと憧れていた方。両親と毎週欠かさずみていた番組での、美しい品のある国際人としてのお姿は日本人としての誇りでもありました。

今から19年前の2000年は、先生が70歳に入られた頃になります。

先生の印象は一言、ハンサムウーマン。

当時の私は、仕事も楽しいけれど、子供が欲しい気持ちが強く、多くを願う気持ちがまだ強かったように思います。

その時にお話下さいました言葉が、今の私に繋がっている感があるのです。

《今の自分が幸せなら、それ以上を望むことで、バランスを崩さない方がよいですよ》

当時はまだ陰陽五行論を学んでおらず、自然法バランス学の知識もなく、その意味が分からずでしたが、

《今の自分の今の状態が100%満足でなくても、70%は満足がいくのであれば、その質を高めることを目的とし、他の要素が欲しいと思わない方がよい。》

まだ若かった私は仕事もしたいし、子供も欲しいという願いをもっていました。

しかしあの時、美しい先生が生涯独身を通されたこと、それによる後悔など全くなく、とても幸せに人生を過ごされたとお話をされ、自分に与えらえたものに感謝し、その質を高めることの大切さを教えて戴きました。

そして、あの時からの19年間が、今に繋がっているように思うのです。

その後、陰陽五行論で福禄寿官印という五欲のバランス学を通して学んだことで、欲望のバロメーターは変動値であり、その変動価の中で右往左往している内に人生は終わってしまうということ。福禄寿官は、横に拡げるか縦に伸ばすか…それは中年期に決めるべきであること。
尚、誤解を受けないように申しますが、若い内は、右往左往していて良いのです。若い内に大いに迷い、欲を張るのは当たり前で、その中で迷い失敗し挫折し、そうして道が見つかるもので、逆にその時に賦活しないと、その後のエネルギーは継続しません。

そして、通常の人には横か縦しか選択肢はありません。

こころの満足感は、福禄寿官印という五欲を満たした状態を作りあげるか、ひとつだけ突出したレベルに洗練させ、全体の満足感をあげる方法があります。五欲を高いレベルで満たした状態を作り、それを維持し続けるのは難しく、多大なエネルギーを必要とします。それが困難であるからこそ、五欲の完成は夢であり目的にもなりえるのです。

90歳で天寿を全うされた生き方に、鮮やかさと凛とした美しさを感じました。若い頃から世界を駆け巡り、一流の方々と出会われたからこその、達観した美学を学ばせて戴いたのだと思うのです。一流の人とは、生涯に与えられた役割に感謝し、その役割を洗練させ、人生に美学を持つことなのでしょう。

 

感謝・合掌

 

山脇史端

 

 

Categories: 人物考察