天道は漸を以て運(めぐ)り。
人事は漸を以て変ず。
必至の勢(いきおい)は、之を郤(しりぞ)け遠ざからしむる能わず、
又、之を促(うなが)して速(すみや)かならしむる能(あた)わず。
佐藤一斎 言志録 第4条
柔らかな春光の中で植物は芽吹き、
花々は華やかに咲き乱れる。
夏の訪れと共に緑色は強まり、
西方の秋風により、
作物は身を引き締め豊かに実り、
やがて木々は紅葉し、静かに葉を落としていく。
春は花 夏ほととぎす
秋は月 冬雪さえて冷(すず)しかりけり
(道元禅師)
この流れは決して終わらず、
静かにまた、春が訪れる。
どんな寒い冬でも必ず終わり、
陽日の季節が廻ってくる。
空を見上げると、太陽は静かに沈み、
月が音もなく昇り、
ゆるやかな孤を描いて廻る。
太陽と月の営みも、
決して休むことなく、規則正しく廻っている。
私たちは、
この静かな自然の規則の中に生きている。
そのため、大きな事象が起きると、
いきなり起きたように感じてしまい、
その勢いに飲まれ、
どうしようもないと、
手をこまねいてしまうのではないか。
だが、よく考えてみよう。
いきなり起きたように思い込んでしまうが、
本当にそうだろうか。
自然に抗う「矛盾」のエネルギーが充満すると、
大きく放出され、時代は動きだす。
あなたの身の廻りに起きたことも、
いきなり起きたと思いがちだが、
実は、少しずつ
矛盾が蓄積されてきた結果ではないだろうか。
そして、一度矛盾のエネルギーが放出され、
瓦解すると、その勢いを止めることなどできない。
水の放流を抑えられないのと同じように。
矛盾とは、天地の動きに逆らい、
そのリズムを狂わせた結果起きるからだ。
今の状況を考えてみよう。
コロナ禍による現在の社会状況、
Copid19という名のウィルスが
いきなりこの世に発生し、
このような状況に陥ったと思いがちだが、
地球温暖化、環境破壊、格差社会が進んでいた現状を考えると、
起こるべくして起き、
このように進行したものだ。
近世まで静かに動いていた地球の営みを、
18世紀中頃の産業革命以降、
あまりものスピードで変えてきた。
産業革命から約200年後、
2015年9月に開催された国連サミットで、
我々の代表たちはSDGsを採択したが、
その時、どれだけの人達が、
その緊急性に気づいていただろうか。
一度起きてしまった事は、元に戻らない。
コロナ禍が収まり、コロナ前の時代に戻れるなら、
東日本大震災の禍も、原発の事故もなかった時代に戻ることが出来るだろう。
この単純な事に気づかずに、
まだ元に戻れると期待している人達がいる。
そして、今の状態を静かに過ぎるのを、
待っていれだけの人達もいる。
移動が制限されることを言い訳に、
身体も頭も使わない人達もいる。
身体を動かすことは出来なくても、
頭を動かすことならできる。
頭を動かす、
今の状態はどのような流れの中で起きたのか、考えてみる。
特に今世紀に入ってから、矛盾は蓄積され、
自然のリズムを変化させてきた。
自然には自浄作用があるため、
せき止めていた流れが瓦解し、動かしだしている。
変化の底流には、どのような潮流があったのか。
それを我々は、どのように堰き止めてきたのだろうか。
ウィルスの禍は歴史の中で繰り返されている。
未来予測は、過去を学ぶことから始まる。
その時代の人達からの教訓がないか、
そして、その次の時代の流れはどう変わったのか。
世界規模で起きたことは、
成るべくして成る必至の勢いがあり、
この勢いは止めることなどできない。
別の角度から考えると、
どんなに勢いを持って社会を変革したくても、
エネルギーが充溢されていない限り、
その変化は加速しない。
変化のエネルギーは充満している。
それを感じるか、どう活用するかが、
成功者の秘訣である。
大変化への機は熟している。
変化の前になすすべもなく立ち止まっているか、
それともそこから逃げ惑うおうとするか。
150年前の大変革の時代、
彼らは何を考え、時代をどう変えてきたのか。
過去の記録を読み、
その時代の暦(時代の流れを)把握し、
それを現在に生かしながら、
個々にあわせたコンサルティングを行う仕事、
それこそが我々暦学士の仕事である。
※時代を読むには、毎朝古典を学ぶことが基本である。
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