第二回 言志四録勉強会
特別企画「令和のお悩み相談室」
2020/06/06(SAT)
令和時代を生きる私たちに必要な
「セルフコンサルティング思考」を身に着ける
セルフコンサルティング思考とは?
①自らの状況・状態を的確に捉え、
②原因を即座に見極め、
③次に打つ手を瞬時に考え出す
思考法です。
「推察力・判断力・実行力」
この全てが時代の転換期である
令和時代に生きる私たちに
求められている要素ではないでしょうか?
では、その思考をどのように身に着けるか?
「東洋古典」に学び、活用していくのです。
「東洋古典」には、
時代の淘汰を受け、
今尚現代に残り続けている理由があります。
それを学ぶだけでも十分意義はありますが、
それだけでは、この思考法は身につきません。
令和時代に「東洋古典」を活かし、
セルフコンサルティング思考を身につけるための
よりプラクティカルなオンラインセミナーを開催しました。
今回は毎朝8時30分〜8時45分に開催している
言志四録勉強会の特別企画ということで、
テーマを「令和のお悩み相談室」と題し、
実際にあったお悩みに対して、
「佐藤一斎先生がこの令和時代に生きていたら、
この言葉、この条文を持ってくるだろうな」
と、一斎先生の気持ちを読み解き、
自分が一斎先生の弟子になったつもりで、
「言志四録(一)言志録」から
実際の条文をピックアップして、
「経営者・サラリーマン・親」
この方々のお悩みにお答えさせていただきました。
そして、今回も当協会の特別顧問であられます、
亀山眞一先生にご臨席いただき、
言志四録を超えた、東洋史観、東洋哲理の視点から、
様々なアドバイスをいただきました。
言志四録を活用し
令和時代の悩みをクリアする。
今回、実際にセミナー内で取り上げた一つの事例を、
まとめて共有させていただきます。
経営者の悩み
若手社員のモチベーション維持について
Q:現在、若手従業員の採用・育成に力を入れていますが、 若手社員のモチベーション維持に苦心しています。
採用や育成に力を入れてはいるのですが、新しい人材の定着が難しく、
若手社員のモチベーションを維持しながら、早期退職されないようにするためにはどうしたらよいでし ょうか。
さて、この経営者に対して、
一斎先生ならどのようなアドバイスを送るのか?
実際の条文を元に、考えていきたいと思います。
A1: 言志録 第79条上に立つ者の心得(経営者へ)
聡明にして重厚、威厳にして謙沖。
人の上たる者は当に此の如くなるべし。
この悩みを見るに、上司と部下(若手社員)との心の距離に問題があるのではと考え、
その心の距離を縮めていくには、密なコミュニケーションが必要不可欠ではないでしょうか。
そしてまた、ただ単にコミュニケーションを取ればいいのかということではなく、
この上の条文から読み取れるように、
「物事の問題や、部下の素質などあらゆる物事を鋭く見極め、平素穏やかで人の話に耳を傾け、
それでいて威厳があって、それだけ優れた人格者であることに対して全くの驕りがない」
という、上司たる者の心得を自覚し、
そういった態度で部下とのコミュニケーションを図る。
そうすれば部下が上司に魅力を感じ、
「この上司がいる会社であれば、もっと働きたい!」
と、モチベーションの維持ができるのではないか。
A2:言志録 第99条 性と質
性は同じゅうして質は異なり。
質の異なるは教え由って設くる所なり。
性の同じさは、教の由って立つ所なり。
まず考えるべき点は、
なぜ若手社員がこの会社で続けようと思わずに転職してしまうのか?
という点ではないでしょうか。
そこで、すぐに辞めていく(辞めたいと思ってしまう)
若手社員の立場になって考えましょう。
最大の原因として、
採用面接段階でのミスマッチ(コミュニケーション不足)が考えられます。
この第99条では、一人一人気質が異なることから、
一人一人の教育はそれに応じて別々にするのが理想と言われています。
まずは、採用基準の見直しを行い、
(会社の求める社員はどのような人物なのか?
志やキャリアプランが一致しているか?など)
その上で、採用した社員との個人面談を行うことで、
それぞれの「気質」を見極めていくのが有効だと思われます。
社員自身が、自分の成長を感じられるような
人材教育・人事考課手法を会社として取り入れ、
適切に運用してみてはいかがでしょうか?
この会社では、公平・客観に評価されて、
そして且つ、成長できる機会があって、
若手社員自身が成長を感じさえしていれば、
若手社員は簡単に辞めはしないものです。
亀山眞一先生からの考察
目に物を見せる
上司である人間が、部下に対して実力を見せる。
しかし、その時気をつけなければならないのが、
圧倒的な力の差を見せつけてはならないということ。
部下が努力をしたら手が届きそうなくらいの
「仕事」をいとも簡単にやってのけることが大切。
もし、部下が上司に対して
「努力しても敵わない」と思ったら、
その時点で部下の心は離れてしまう。
もし、モチベーションを維持させようとするならば、
「上司がこんなに簡単にやってのけるのだから、
自分にもできそうだ!」
と、錯覚させることが肝であります。
しかし、実際にやってみると、難しくてできない。
そこで初めて部下は上司の偉大さに気づくのです。
上司として途轍もないことをやってのけるより、
相手(部下)の力量を洞察し、
それに応じて変えていく。
それが部下の心を惹きつける大きな要因となる。
とは言っても、縁がないと成立しない。
仏教にまつわることわざに、
「縁なき衆生は度し難し」
というものがあります。
これを言ってしまうと、
結果論のようになってしまいますが、
実際、何事もそうですが、
「縁がなければ成立しない」
どれだけ上司が苦心しようとも、
上司と部下、そして企業やプロジェクトと
縁がなければ成立しないのです。
縁とは、人と人とのご縁に止まらず、
人と仕事、会社、事業、
万物との関係性が「縁」と称されるのです。
言志録 第11条「心は自らの是非を知る」
権は能く物を軽重すれども、而も自ら其の軽重を定むること能わず。
度は能く物を長短すれども、而も自ら其の長短を度ること能わず。
心は則ち能く物を是非して、而も又自ら其の是非を知る。
是れ至霊たる所以なるか。
と、ありますように、
縁というものを感じる心は、
皆すでに備わっているのです。
人物の本質を見極める暦学
ソリューションとしての東洋古典
今回、この企画を開催させていただくにあたって、
全てのお悩みに対する答えを準備させていただいたのですが、
そこで強く感じたのが、
「暦学」と「東洋古典」の親和性です。
今回のテーマに則り、様々なアドバイスを
言志四録の条文からピックアップさせていただいたのですが、
ここに暦学がドッキングされると、
より相手の心にとどくアドバイスができると感じました。
暦学の活用によって人物解析ができれば、
相手の求める言葉や、その言葉の角度から、接し方、
それだけでなく、人間関係に到るまで、
詳細まで浮き彫りになるのです。
そういった詳細が(隠れている本質的な部分も含めて)
見えてこないと、どれだけ素晴らしい言葉たちも、
相手の心には届かない可能性があります。
古代中国の賢人たちが、
この暦学(陰陽五行理論に基づく人物解析)と、
東洋古典の両方を学ばれていたことも、
実際にアドバイスをさせていただく立場を経験すると、
強くうなづけるところがあります。
今後、リモートワークも一般化してこれば、
より相手のことがわからなくなる。
相手のことがわからないのに、
その相手に自分の言うことを聞かせようとしても、
それは大変困難なことだと感じます。
しかし、実際に会ったことのない相手であっても
暦学を活用すれば、詳細までプロファイリングすることが可能です。
暦学と東洋古典の両方があって、
よりプラクティカルなアドバイスができると、
この勉強会を通して感じさせていただきました。
また次回のイベントが決まりましたら、
アナウンスさせていただきます。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
===============
3時間で運命学の基礎が身に付く
干支暦学入門講座
===============
毎朝8:30〜8:45 言志四録勉強会 開催中!
(参加費無料)
参加をご希望の方はFacebookグループにアクセスください。