5Gの時代に入ると、働き方改革でも提唱されてきた「在宅ワーク」「オンライン化」の波は本格化してくるでしょう。
今まで及び腰だった企業も、今回のCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響で、ノウハウの蓄積もない中で次々に導入、
その成果と検証はこれからかと思われますが、今回は陰陽学的視点から、「在宅ワーク」について考えていきたいと思います。
そもそも、
「会社に通う」というサラリーマン的働き方は、世界史的には1920年代に登場した比較的新しい概念であり、
日本では大正時代に登場し、戦後になってから急速に広まった「働き方」です。
例えば江戸時代の丁稚奉公では、勤務時間などの明確な線引きはなく、仕事とプライベートの区切りはファジーなものでした。
明治時代になり欧米から雇用関係に関する法整備が導入されたことで、勤務時間という概念が生まれました。
大正時代頃から、組織の巨大化が始まり、それに応じて多くの人を雇用するという会社形態が誕生しました。
しかし当時の働き方は、朝9時~夕方の4、5時の比較的のんびりとしたものだったようです。
深夜まで働くようになったのは戦後の高度成長期時代であり、バブル期に突入すると、仕事に遊びの要素が加わり忙しくなり、
バブル後の経済退廃期は、そこから遊びの部分が次第に色あせ、仕事だけが残り経済も伸びず、その中でIT化が進み現在の状況に至っているようです。
つまり、「頑張って夜遅くまで働く」というのは、今の60歳以降の人達の「基準となった働き方」で、
親の世代が「頑張って働いてきた」から、それこそが社会の規範・日本人の美徳だと思う考え方に日本全体が陥ってしまい、それが社会の硬直化をはじめとする、様々な社会問題を提起しているように思うのです。
そのような意味では、サラリーマン社会登場から100年経過した今「労働のありかた」の変革期が来たと捉えます。
「働き方」を見直すということは、産業の構造そのものが変わります。今後はどうなるのでしょうか。
現在のITの発達を考えると、業務の効率化が更に増し、恐らく5名程度の小規模の企業がたくさん出てくるのではないでしょうか。
逆に言うと、5名位で十分機能する組織構造になってきます。
暦学的にも、3人、5人、7人の集団はバランスが良く、10名以上になるとカリスマ性が必要になります。
そのような小規模グループが相互に外注し合うことで繋がる、「緩い繋がりの連合体」のような社会になってくるのではないかと思うのです。
陰陽学でみる働き方
少し陰陽的捉え方のトレーニングをしてみましょう。
グローバル社会は、陰陽的に捉えると、外に向かっていくエネルギー。
つまり陽のエネルギーですが、そこにテクノロジーによる効率化、コンパクト化という陰の力が作用することで、大きなエネルギーを生み出しています。
陽の力であるグローバル化の力が強いほど、陰のエネルギーが強く発揮できるため、それを実現化したGAFAに利益が集中しています。
また、現在のCOVID-19(新型コロナ)により、世界中の人達が内にこもって陰化してくると、
逆に暴動など外に向かう力も強くなります。
今回の自粛モードによる経済の低迷化による反動で、暴動や治安悪化などという事が生じ易くなるのではないでしょうか。社会が混迷化するに従い、ますます内にこもるエネルギーが強まり、逆に小さな単位の組織である「村社会」がエネルギーを増してきます。
防犯や警護関連産業・「村社会」「ゲートシティ」の開発業者は今後注目していく産業です。
在宅ワーク
在宅ワークは、「家の中で働く」という「陰」の動き。
男性(陽)は、陽×陰(+-)で陰化していきます。
1を陽、2を陰と捉えると、単体ではなく集団化を求め始めます。
逆に女性は陰、「家の中で働く」という「陰」の動きを掛け合わせると、陽化する。
組織から離脱し勝手に動き始める、単体化していくと捉えます。
そう考えると大正時代まではほとんどの人達が在宅ワークであった訳で、農民・職人・商人など、身体を動かす仕事が主流でした。
現在のように、ホワイトカラー的な仕事での在宅ワークは、僧侶など法曹関係者位であり、
それでは彼らはどのようにしてその精神を保ち、勤労効率を高めたかというと、
厳しい戒律を作り、毎日それをこなすことを自分に課してきた訳です。
自由だからこそ 敢えて枠を決めることで律する必要性があった。なぜかというと、人間はそれほど強くはないからです。
企業が在宅ワークを貸すのなら、厳しい戒律を作り、
毎日それをこなさせることから始めることが、歴史的示唆。
「座禅を組む」「社長の講話を聴く」など毎日全員が決まった時間に行うことで、
連帯感や忠誠心、そして孤立化を防ぎ、不安感から逃れることが出来るのかもしれません。
逆に在宅ワーカーを管理する上で向いている職種は、「身体を動かす仕事」
内職的な仕事、考えずにこなすだけの仕事。
家の中で一人で仕事をするというのは、「陰」の環境だから、考える仕事より
身体を動かすという「陽」のものの方が適していると捉えます。
いずれにしても、企業は相当な精神教育をしない限り、忠誠心が希薄になり、会社への帰属意識もなくなり、
大事な人材の流出にもつながります。
また、それまでは「自分のやっている仕事」が多少曖昧でも許されていたものが、
その成果が数値化されることで、
仕事のやり方や自分の価値が分からなくなってしまう人も出てくるでしょう。
そのため、企業のトップは毎日何らかの形で発信する、
精神修行になるような教養講座を行うことが大切になるわけです。
時代は循環していくので、働き方もこれから大きく変わります。
その流れをしっかりと見据えた先に、私たちの新しい未来が見えると思っております。
今この時間は、全世界の人に同じに流れています。
だからこそ、しっかりと未来を考えて、新しいステップを歩むべき時であり、このような過渡期は逆に新規ビジネスの創成期でもあり、新しい未来を見据えて戴けたらと願います。
時代の流れは、COVID-19の拡大に比例して、加速化していますので。