《二十四節気 季節で感じる運命学 大寒》染谷康宏

二十四節気 季節で感じる運命学、今回は「大寒(だいかん)」です。

大寒は、二十四節気の最後になる節気で太陽黄経は300度です。

2019年の大寒の期間は、1月20日から2月3日まで、1年のうちで一番寒さが厳しい時期と言われています。しかし、実際の東京の平均気温は、大寒の終わり頃から立春にかけてが最も低くなるようです。暦の上では春と呼ばれる時期になってから寒くなるため、二十四節気の季節表現と比べるとずれていると感じる人も少なくないでしょう。

元々二十四節気は、中国の中原(黄河中下流域の平原)で考えられたものであり、中国の季節では合っているので、中国的には小寒から大寒の頃が一番寒く、立春には気温も上昇して行く事になるのです。

しかし日本では、中国から持ち込んだ二十四節気をそのまま使用した為、日本の季節とは、感覚的なズレが生じているようです。日本の暦そのものが中国より伝来したものであり、また、大陸性気候の中国と海洋性気候の日本では、若干のずれが生じても仕方ないことでしょう。

 

暦便覧では

暦便覧(こよみびんらん)とは、1787年(天明7年)に江戸で出版された暦の解説書なのですが、この暦便覧での「大寒」は「冷ゆることの至りて 甚だしきときなれば也」と説明されています。

「冷ゆることの至りて」なのですから、寒さも最高潮に達し、甚だしい時だといっているのです。「甚だしい」とは、寒いという言葉では言い表せないほど寒さが厳しい時だと強調して表現している訳です。

大寒の最終日は「節分」となり、翌日には立春を迎えます。ところで節分と言えば邪気を追い払う豆まき行事なのですが、暦史的には文武天皇(もんむてんのう)の時代(706年)に、宮中で初めて行われたとありますから、かなり古くから行われていた行事だと言えます。これは追儺(ついな)とも呼ばれていて、ルーツは中国の論語にも記されているそうです。

元々節分と言うのは、各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日を意味していて、季節の変わり目に邪気を追い払う行事として行われていたため、本来は、年四回あったようです。

その中でも、立春前夜に行われる節分は重要視されていて、一般庶民にも親しまれ、定着して来た行事です。

ちなみに豆がまかれるのは、豆などの穀物が邪気を払う霊力を有すると考えられていました。さらには豆(まめ)が「まめ=魔の目」、或いは「まめ=魔滅」に通じるということで豆を使ったのだと言われています。

一方追い払われる鬼については、陰陽五行説の考え方から牛の角と虎の皮で姿を表現したと言われています。また丑寅(北東)の方角は、鬼門(鬼が出入りする入り口)がある方角だとして、「丑=牛・寅=虎」をモチーフにしたのだとか。また赤鬼と青鬼は、五行説の色に基づいていると言われ、赤=火(朱)であり、青=木となっています。仏教的な見方からすると、赤=欲・青=怒を表しているという説もあり、様々な意味づけがなされているようです。

これまで深い思いもなく節分を楽しんでいましたが、伝統文化の根幹には常に陰陽五行説などの太い柱が通っているのだ思いを新たにしました。