今回から、当協会の本部講師で、栄養士でありかつ薬膳コーディネイターとしてご活躍中の岡田雫先生から、(忙しい人でも簡単に楽しめる二十四節気薬膳レシピ)をご紹介戴く事になりました。
運命を良くするには!
前回の染谷先生の《二十四節気と新年度》の記事でもお話がありましたが、運命を良いものにするにはどうすれば良いかといいますと、身体と心のバランスを整える事にあります。
運命とは、命を運ぶと書きます。
この場合の命とは、生命のことではなく、天命を意味します。
天命とは何かと言いますと、これは天の命、つまり生まれ持って天から授かった素質という事になり、それでは、生まれ持っての素質には、何が大きく影響しているかといいますと、生まれた時の季節であり、風であり、光となるのです。
それでは、その生まれた時の季節や風や光は何が影響しているかといいますと、太陽や月の引力による潮の干潮などが影響しているのです。
太陽と月の動きを記録したものが、暦です。
人類にとって一番簡単な暦とは、月の満ち欠けを計測した太陰暦です。
しかし、月齢の計測だけでは、季節の流れを計算することは出来ません。
《満月》という文字からは、暑いんだか寒いんだかわかりませんよね。そこで、中秋の満月とか、晴明の新月とかいうと、イメージがより明確になるのです。
つまり、時をしめすには、太陽の動きを組み込む必要があるのです。
この月齢に太陽の動きを組み込んだものを太陽太陰暦といいます。
太陽の動きとは、季節の移り変わりです。つまり、季節とは太陽の動きを計測したものです。
その太陽の動きを24分類に分けることで、季節を捉えようとした考え方が、中国殷の時代から始まりました。
これが、二十四節気という捉え方です。
二十四節気
立春・啓蟄・雨水など、《二十四節気》というと、日本の伝統文化だと思われている方が多いようですが、これは、古代中国で誕生し、日本に伝承された考え方です。
太陽が移動する天球上の道を黄道といい、この黄道を24等分したものが二十四節気です。
太陽が移動する道である《黄道》を、まずは夏至と冬至で2等分します。
夏至は一日が1年で一番長くなる日、冬至は一番短くなる日です。
さらに、この2等分したものを春分と秋分で分けて、4等分にします。
春分も秋分も昼夜の長さがほぼ同じになる日で、春分は、この日を境に夏至に向かいますので、陽が延びていきます。
秋分は、この日を境に冬至に向かいますので、陽が短くなっていきます。
更に、それぞれの中間に立春、立夏、立秋、立冬の「四立」を入れて「八節」とします。
更に、各々の区分を3等分したものが、二十四節気になります。これが二十四節気の概略です。
Wikipediaを参照して、確認してみてください。
陰陽五行論とは…
このようにして、古代中国人は、五感を頼りに自然界を体験し、太陽、月、星の運行と変化の規則性を観察して、年、月、日の暦や二十四節気を作りました。
その延長上に、陰陽という中国古代哲学の基本概念が生まれたのです。
更に、自然界にある全てのものを「木・火・土・金・水」の5つに分類しました。
季節、色、味、食材、人間の臓器、感情、そして性格、性質も全てです。
難しく考えないでください! 何を言いたいかというと・・・まず、全てを5つに分類訳したのです。
感情も・・・
性格も・・・
食材も・・・
色も・・・
味も・・・
季節も・・・
例えば、全てのものを 青組・赤組・黄組・白組・黒組 の5組に分けたと想像してみてください。
この場合、全てものと言わず、”万物”って言った方が中国古典っぽいですね。
例えば、私の性格は、赤組さんで、季節は秋(白組)で、山のふもとの黄色(黄組)の地域に住んでいて、仕事は学者、つまり黒組系の仕事であるとすると、ないものは青組のものとなります。
そんな私が体調が悪かったとしたら、あなたに足りないのは、青組のものだから、何でもいいから青組さんに属しているものを取り入れなさいとなるのです。
スーパーに行き「青組さんは?」と思って探すと、青菜、ホウレンソウが眼につきました。
それでホウレンソウのお浸しをたくさん作って、体調を整えました。
五行のバランスを整える簡単な方法です。
このように五行を考えながら食事を楽しむことは、薬膳の基本の食養を自然に楽しめることが出来るのです。
薬膳料理とは…
(栄養士・薬膳コーディネイター・干支暦学講師 岡田雫薬膳レシピ)
薬膳料理とは、中国に古くから伝わる陰陽五行論を含めた中医学に基づき、臓腑(五臓六腑)の働きや季節に合わせて、食材と中薬(生薬)を用いて、体のバランスを整え、健康を守る料理です。
「薬膳」と聞くと、何だかんだ薬を使った難しい料理のように感じる方も多いかもしれませんが、そんなことはありません。
スーパーで買える食材でも、効能を知り、上手く組み合わせれば、薬膳料理になるのです。
協会の私の担当は、この手に入りやすい中薬(生薬)や身近な食材を使い、二十四節気に合わせて心と体を整える、手軽な薬膳茶や薬膳料理のレシピをご紹介していければと思います。
明日4月20日は、二十四節気の「穀雨」
穀物を潤し育てる春雨の降る頃、春の土用(季節の変わり目)の時期と重なります。
五行色体表
五行色体表とは、人間の五臓を中心に、自然界の物(万物!)を五分類に分けた表です。それぞれにどう対応していくか読み解いて行くマニュアルのようなものですが、一度にご説明すると分かりにくいので、少しずつ説明しますので、少しずつ薬膳の面白さを楽しんで戴けたらと思います。
春 | 夏 | 土用 | 秋 | 冬 |
青組 | 紅組 | 黄組 | 白組 | 黒組 |
木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
眼 | 舌 | 口 | 鼻 | 耳 |
怒 | 喜 | 思 | 憂 | 恐 |
五行色体表は、もっとたくさんの項目があるのですが、あまりたくさんを表示すると分かりにくいので、今回はこの6項目のみに限定して説明して参ります。
4月20日は穀雨であり、春と夏の間の季節に入ります。
つまり、上記の五行色体表でみると、春=青組で、青組は木とありますので、木のエネルギーが強い季節という事になります。
確かに、草木が芽吹く季節ですよね。
そして青組には、肝・眼・怒という言葉が入っています。
つまり、全て青組さんです。
例えば眼が霞み、何となく怒りっぽくなったとしたら、それは青組のエネルギーが強すぎるという事になります。
青筋を立てて怒る・・・なんていいますよね。怒りとは肝のバランスが崩れることから起こるのです。
つまり、青組のエネルギーが強いから、そこにエネルギーが片寄りバランスを崩してしまうのです。
穀雨の季節のお奨め 薬膳茶
私も毎日仕事で忙しく動いているため、日々の食事を薬膳で整えることなどは中々できません。
そこで、忙しい皆様にお奨めなのが、薬膳茶です。お茶ならば気軽で楽しむことが出来きます。
二十四節気という暦ごとに、24種類の薬膳茶のレシピを作ることで、その季節に足りないものを補いながら、自然にバランスを整えて戴けたらと思います。
オリジナル 薬膳八宝茶(穀雨の季節)
(紅棗1個、枸杞子5粒、蓮芯1個、薏苡仁1つまみ、山査子1片、陳皮1片.玫瑰花1個、茉莉花2個、緑茶1つまみ、氷砂糖1粒)
落ち込み、イライラ、疲れやすい、むくみやすいなど、季節の変わり目に起きやすいモヤモヤを改善してくれます。
ポイントは熱湯を入れること。氷砂糖を入れることでスッキリとした甘さが加わり、とても飲みやすくなります。
お湯を継ぎ足して数回飲めます。
飲み終わった後も全て食べられますよ♪
季節にお奨めの野菜
この季節にお奨めの野菜です。少し怒りっぽいな…眼が霞むなと春のストレスを感じたら、季節の野菜をとりいれて、バランスを整えて戴けたらと思います。
肝の高ぶりを抑える旬の野菜
解毒…<セロリ、みつば、春菊、ミント、柑橘類、陳皮…>
風邪…<独活、菜の花、生姜、葱、紫蘇…>
甘み…<棗、百合根、キャベツ、筍…>
土用(梅雨)…水分代謝と消化吸収力を上げる食材
利水…<鳩麦(薏苡仁)、緑豆、小豆、空豆、隠元…>
湿邪…<棗、蓮の実(蓮芯)、玉蜀黍、玄米…>
香り…<フェンネル(茴香)、茗荷、バジル、ジャスミン(茉莉花)>
薬膳の材料のオススメ店
最後になりますが、私の薬膳の材料のオススメ店をご案内致します。
色々と探しましたが、一番衛生的で良心的なお店です。まとめて購入して、小分けパックにして、会社に持っていって楽しんで戴けたらと思います。
紅茶や緑茶、ハーブティともちょっと違う薬膳茶は、彩も綺麗で何回も飲めますし、ストレスケアにお役立て戴ければと思います。
横浜中華街「隆泰商行」「隆記」
中薬(生薬)や中国茶を小包装で販売。
衛生的で良心的な価格です。
http://ryuuka.co.jp/map.html
《干支暦学講師・栄養士・薬膳コーディネイター 岡田雫》
バランスを整えれば、運は落ちません。
「運をあげるにはどうすれば良いか?」
まずその1st Stepは、余計な事を言ったりやったりしなければ、無駄なエネルギーを使わないので、自分の目的に応じ効率的にエネルギーを使用できるので、目的を遂行することが可能になり、自然にあげることが出来るでしょう。
その為に必要なことは、心と身体のバランスを整えることです。
中国の賢人達は、春は五臓でいうと《肝》の機能が強い時期としました。つまり怒りっぽい人が多くなる。肝のバランスが悪くなると、のぼぜやすく、眼に不調が出やすく、怒りっぽくなります。また、肝と関係が深いのは婦人科系の機能です。
そこで怒った人は、運が落ちてしまいます。
私達は生年月日から導きだした干支暦で、その人の五行の偏りを観ることが出来ます。
干支暦に青組の干支がたくさん含まれていると、この人は、青組が強すぎるから特に春の季節はバランスを崩しやすいだろう・・と予測します。
経営者からみると、
「あっこいつ、木性(青組)の質が強いから、春は怒りっぽくなるな。そう言えば最近涙目だし、花粉症とは言え、肝のエネルギーが偏っているな・・・」という予測になるのです。(ちなみに花粉症も肝と関係しています)
このように事前に予測し、そのバランスを整えながら病気になることを防ぐ方法が、中医学の原則です。
バランスを整える方法として、漢方や鍼灸で経絡を整えるなどの方法もありますが、これは医療関係者しか許されておりません。
しかし、薬膳は、専門家の意見を参考にしながら、自分でも出来るセルフメディテーションです。
染谷先生が説明して下さった通り、春は年度始めの季節です。初めての人間関係で戸惑われる方も多く、ストレスを感じる方も多いでしょう。
ストレスケアの方法として、今回、岡田先生にアドバイス戴いた《オリジナル薬膳八宝茶(穀雨の季節)》はとても素敵な解決法です。
仕事の合間でも楽しむことが出来ます。色もとても綺麗なので、気持ちがリラックスできますので、ストレスケアをしながらこの季節を乗り越えて下さい。恐らく、この材料を集める作業自体がストレスケアになると思います。季節も良くなっていますので、中華街に探しに行きましょう。
怒らなければ・・・運勢は落ちません!
薬膳茶を作る!という目的の為に、材料を探しに外に出ることは、五行のバランスを整える事に繋がります。
何故かって?
外にでないと太陽を浴びることが出来ませんから。