「黄帝内経」には、自然界の6種類のエネルギー(風・寒・暑・湿・燥・火)について説明しています。つまり、季節の流れと共に、6つの気が循環しているのです。この気は人体に入り、エネルギーになるのですが、増えすぎると「淫気」というものになります。故にこれを、六淫ともいいます。六淫とは、淫らな気ではなく、エネルギーが溢れるいう意味です。
そう考えると、世間でいう『淫らな気』とは、そもそも過剰なエネルギーなのかも知れません…(笑)
燥邪については、以前の私のブログ 処暑にて説明をしたので、ご興味ある方は読んでおいて下さい。
そして、この増えすぎたエネルギー「淫気」は「邪気」となります。「邪気」とは経絡を流れる気を滞らせる気の総称です。そのため、六邪とも呼ばれています。
しかし、陰陽学的な視点からみると、「邪気」は「経絡を流れを阻害する、増えすぎた気(エネルギー)の総称ですが、そのエネルギー自体が悪い訳ではありません。
例えば、洪水は人の生活を破壊する、恐ろしい自然災害ですが、水そのものは悪いものではありません。
海も悪くはありません。問題は、過剰だからです。
陰陽学を学んで戴いている方は、なんとなくこの意味がお分かりになって戴けたらと思います。つまり、「邪気」とは、季節が呼び寄せる自然現象でもあるので、戦う相手ではなく調和するものです。対策を練ること自体が人間の叡智となるのです。
自然災害も大自然の営みで起こるので、私たちの力で抑制することなどできません。出来るのはその予測と対策です。
朝晩の気温差が激しくなると、寒邪は入ってきます。寒邪は、臓器を直接攻撃すると、吐き気、腹痛、下痢、便秘などの症状をおこすといわれています。
気血の流れに影響を与え、頭痛、身体痛、胃痛、腹痛などの痛み、筋、脈、関節などが痙攣を起こしやすくなります。 また、空気が乾燥するため、口鼻の乾燥、咽頭の痛みや乾き、皮膚の乾燥の症状が現れやすくなります。
実は…寒邪は背中から腎臓を直接攻撃してくると言われています。腎臓は水性です。そのため、五臓六腑の中でもっとも冷えに弱い臓器なのです。
身体全体の冷えとは、心臓から一番遠い足先で身体の血液が冷えることでおこります。足先から戻ってくる冷たい血液が身体全体を冷やすからです。
その血液中の老廃物や余分な塩分を濾して尿として排泄するのが腎臓です。つまり、血液が冷たいと腎臓も冷えます。腎臓が冷えると機能が低下するため、腎臓の働きは弱ります。そのため、貧血やむくみ、疲れ、めまい、骨折など様々なトラブルが引き起こされるのです。これが寒邪の行動予測です。
つまり、対策は足元の冷えをケアすること、背中や頸椎を温めること、寒さが身体の芯まで入ってこないように今から対策を施しましょう。
足元と背中を暖めながら、是非私のお奨め薬膳茶で冬を楽しんで下さい。
この季節のオススメ食材♪