大変ご好評を戴いております、広島支部長 Seewer瑞恵先生の《教育現場における数理暦学の活用法》の第2弾です!
前回の先生の記事は、コチラを参照下さい。
瑞恵先生は、25年間、英語教育に貢献されていらっしゃいます。
今回は、教育現場における問題解決に、干支暦学の知識をどう使用したのか、実体験に基づいてレポート戴きました。
勿論、子供の教育現場以外にも、社内のチーム作りや組織論にも活用できますので、ご参照下さい。
教育現場における数理暦学・干支暦学の活⽤法② Seewer瑞恵
今回は私が実際に、あるクラスで実践してみたことを書いてみようと思います。
男⼦2 ⼈、⼥⼦4 ⼈のクラスです。
A くん、B くんと、C さん、D子 さん、E さん、F さんとしましょう。
A くんは以前から落ち着きがなく、学校でもよく問題を起こしていて、お⺟様はよく学校へ呼ばれていました。もちろん私の塾でもなかなか落ち着いて話が聞けず、私語も多く、授業が予定通り進まないこともあり、講師たちと対策を考えていました。
ただ以前からお⺟様がおっしゃっていたのは、「僕はS e e w e r 先⽣の話だけは聞ける」ということ。
不思議だったのですが、確かに私の授業では、他の⽣徒や講師が驚くほどに、Aくんは静かだったのです。
後で触れますが、別に私がA くんを脅したり、体罰を与えたりする⻤教師だったからではありませんので、誤解なきようお願いします(笑)
そんなわけで、あの時も私がこのクラスの授業を担当していれば、とある事件も起こらなかったのですが…
8 ⽉のある⽇、とある事件は起こりました!
部活が休みになり、A くんとB くんは久しぶりに塾で会いました。
休憩時間、野球部の2⼈は、A くんに誘われて教室内でキャッチボールを始めました。講師は何度もやめるように注意しましたが、全く聞き⼊れず2 ⼈は続けました。
そのとき、事は起こりました!
A くんが投げたボールが窓に当たりそうになったので、B くんが慌ててジャンプして取ろうとした瞬間、バランスを崩してカーテンを掴み、カーテンを引き裂いてしまったのです。(大した事件ではないように見えますが、もし窓ガラスを割って怪我でもされていたら大変でした!)
その後は、他教室にいる⽣徒たちを巻き込んでの、私の⻑〜い説教が始まりました(苦笑)
この事件を機に、私はA くんの素質と⾏動を把握する必要があると考えました。
ある程度の予測はできてはいたのですが、干支暦学の知識を用いて⼈物解析をしてみて「やっぱり」という感じでした。
干支暦データ Aくん
日干 | 庚 |
表相中央 | 権威 |
思考法 | 申酉天中殺 |
総エネルギー | 274 |
ライフナビゲーター | 勇者 |
十干法で人物の本質を10分類に分けますと、彼の本質には《庚》という文字が出ます。この意味するところは、《庚=鉄鋼》という意味になります。
これは何も私が分けたのではなく、3000年以上前の古代中国殷の時代から用いられている分類法です。
そうなると、Aくんとは、《鋼鉄》くん。
鋼鉄は、役立つか用途を明確にして、火にくべて熔解し、そのあと水で精錬して、《役立つもの》に変える必要があるのです。
それをしないと、単なる邪魔な鉄の塊。
しかし、上手に加工すると、人を運ぶ車になったり、海に浮かぶ船になったり、パソコンや携帯だってレアメタルがないと動かないですから、時代を動かす人になる… そのような素晴らしい命式なのです。
困難にも果敢に⽴ち向かい、みんなの役に⽴ちたい想いはあるのに、それを誰も理解できず、本人も分からず自暴自棄になり、学校でも問題児扱いされている。
ともすれば、厄介者のように周囲に思われているんだなぁと、Aくんからのメッセージを干支で読み解きました。
それではどうすれば良いのでしょうか?
まずは彼を溶かしてみようと思いました。別に彼を火にくべる訳ではないので、ご安心を!
陰陽五行論には相生相剋論というものがあり、《火が鉄を剋す》という相剋理論を用いることにしました。
火は十干ではなにかというと、《丁》になります。
つまり、日干が《丁》の人であれば、彼を溶かす役割があるのです。
先ほど、「A くんは私の前では落ち着いて話が聞ける」と書きましたが、実は私の⽇⼲が「丁」です!
今まで別に特別なことをせずとも、どうやら私はA くんを⾃然に鍛えていたようなのです。
「私と同じ⽇⼲「丁」の⼦がクラスにいれば、その⼦を隣りに座らせ、「庚」を鍛えられないか」と考えた私は、同じクラスの残り5 ⼈の命式を出すことにしました。
すると、なんと!C さんとD さんが「丁」であることが判明!
しかもC さんは、総エネルギーも219 で低くはありません。迷うことなくC さんを隣りに座らせることに決定!
D さんはというと、総エネルギーが120 で低いので、後に座らせることにしました。
総エネルギー数とは生態のもつエネルギー数です。
Aくんは、274もありましたよね。つまり274のパワーを持った鉄鋼石と考えてみてください。
その鉄鉱石を溶かすには、219のエネルギーのあるCさんと、120のエネルギーのあるDさんの二人に頼もうと思ったのです。
隣に120のエネルギーのDさんを座らせると、彼女の火力では弱いため、隣には火力の強いCさんを座らせて、Dさんは背後からお願い!という形です。
約1 ヶ⽉経った頃にA くんが⾔いました。
「僕がわからんところをC さんが教えてくれたら、めちゃくちゃ理解できるし、勉強が⾯⽩くなってきた。僕、ちょっと勉強頑張ってみようかな」
「よっしゃ!私の⾒⽴てに間違いはなかった!」と、確信が持てた瞬間でした。
その後はクラスの仲間だけでなく、講師の先⽣⽅、お⺟様、そして学校の先⽣⽅まで驚くほど、A くんが落ち着いて勉強するようになり、成績が伸び始めたのです!
現在A くんは⾼校⽣です。C さんとは別の⾼校に通っていますが、いまだに2 ⼈とも私の塾に通ってきてくれて、C さんがA くんの悩みを聞いたり、アドバイスをして、時に喝を⼊れてくれています。
あんなにやんちゃで落ち着きのない、問題児扱いされていたA くんが、こんなにまで成⻑するとは⁉教師冥利に尽きます(感涙)
これも私が数理暦学を学んだからこそできた解決策です。
人々との絆
実は私の息⼦も⽇⼲「庚」です。その息⼦が社会⼈になって⼀年⽬に⾔った⾔葉が今でも忘れられません。
「俺はいつも、⺟さんとおじいちゃんに鍛えてもらったような気がする。⽗さんは俺をいつも黙って⾒守ってくれただけじゃけど、⺟さんとおじいちゃんが俺を叱咤激励しながら正しい⽅向に、常に導いてくれたような気がする。これからも鍛えてください!」
「おじいちゃん」とは、私の今は亡き実⽗で、私と同じ⽇⼲「丁」でした。
本当に不思議なのですが、「庚」は「丁」で剋すことが必要不可⽋ではないかと考えます。
もちろん、安易にこれだけで解決しようとしてはいけませんが、⼀つの策にはなります。
なぜ「丁」が「庚」を鍛えるかというと、頑固な鉄の塊、鋼鉄「庚」。
なぜ頑固かというと、「何かに役立ちたいという気持ちが強く、強すぎるため、どうしたら良いのか分からない」。
逆にその意識が強すぎるからこそ、正義をふりまわしたりしてしまう。
周りからみると、その行動が《乱暴者》《落ち着きがない》《自分勝手》となってしまうのですが、日干が「丁」の人は、私もそうですが、強く意見を言う時は言いますが、あとは放っておきます。
なぜかというと、《丁》は炎だからです。
《鉄鋼》を、ずっと炎にくべていたらどうなるかと思いますか?
熔解して、流れてしまい形にはなりません。
Cさんをみていても、感覚の鋭いお嬢さんなので、ズバリ鋭く言うことがあります。彼女のその言葉がAくんにヒントを与え、考える力を養ったのだと思うのです。もし彼女がきつい事をずっというような女子だったら、Aくんは焦ってしまい、自信を失ってしまったでしょう。
ちなみに、私の夫である息⼦の⽗親は「戊」です。相剋論では、⼟⽣⾦の関係といい、夫は息子を助けてしまうのです。
「黙って⾒守る」と息⼦が感じていたのも納得です。
夫は夫なりに息子に意見をしたのでしょうが、《いつも優しく受け止めてくれる山のような人》の意見より、《感性鋭い炎の母親》の意見の方が、《何かに役立ちたいと悩む鉄鋼の息子》には、有効なようでした。
これは相性ですから、《感性鋭い炎の母親》の意見が、邪魔・・・うるさい・・・と思う人もたくさんいますので、親子の相性が良かった!とにんまりですが、実はこれは、彼を黙って見守ってくれる夫があってこその相性なのだと思うのです。
息子を無条件に認め、見守ってくれた夫がいなければ、もしかしたら私と父の火力に、彼は負けていたのかも知れません。
Aくんの場合も同じこと。
彼女達がAくんを変えることが出来た裏には、彼を黙って見守った方々や、冷静に彼を判断してアドバイスされた方々との連携があってこそであり、これこそが五行循環理論です。チーム力の必要性を強く感じました。
さて、次回は⼩学⽣、中学⽣、⾼校⽣の⼈物解析をする際、私はどこ(実相なのか表相なのかなど)を中⼼に⾒て⼈物解析しているかについてのお話をします。
私は今までの経験に基づき、教育に数理暦学・干支暦学の知識を活用することを、自分のライフワークにしたいと願っております。
御興味ある方は、入門講座を広島で開催しておりますので是非お越し下さい。簡単な観方を学ぶと、自己理解を深めることが出来ます。
数理暦学・干支暦学は、中国古典を活用した人に役立つ学問です。
(Seewer 瑞恵)