2021年の日本は、大転換期を迎えている。
今から丁度72年前の我が国は、第二次世界大戦で敗戦、大きな大転換期を迎えていた。
国自体が存続できるかどうかの大転換期であり、亡国の一歩手前までいった。
更にそれを遡る72年程前は、明治維新だ。
明治維新は我が国でも最大のレジーム転換である。
それまで我が国は中国を模範とし、東洋思想が基準であった。
維新は、西洋文化と対峙し、尊王攘夷と言う強烈なイデオロギーで始まった。
しかしこの維新への動き、イデオロギーに振り回されない徹底したリアリズムの中で、明治という新たな時代を切り開いていったのだ。
国家成立以来の暦を捨て、法律を捨て、封建制度を捨て、
維新から40年後、大国ロシアに打ち勝ち世界中に大きな衝撃を上げた。
亡国の危機に瀕すると、それまでのこだわりを捨て、徹底したリアリズムに生きるという国。
そのような混とんとした中で、透き通った格調高き精神で、現実を見据えて世の中が必要としていることを実行していくリアリズムを体現した人物、それこそが、澁澤栄一翁だ。
澁澤栄一という奇跡から学ぶ
澁澤栄一は、近代日本を、民間という立場で具現化して日本を創りあげた人物だ。
それまでの日本になかった数多の新事業をもたらし、それを担う多くの企業を創設、発展させ、大いなる尽力を行ったにもかかわらず、それら企業を私物化せず、財閥化してその頂点に君臨することを嫌い、自ら唱える「合本主義」に基づいて、新しい時代を担う中小企業経営者の育成に尽力した。
彼のような民主的で合理的な道徳経済の信奉者がいたことは、周辺諸国がことごとく植民地になる中、極東の国日本が独立国として、西洋社会に双肩するまでに至った「アジアの奇跡」の大いなる理由の一つであったと思う。
明治の後期から大正にかけての時期は、過去のいかなる時代と比べても、日本人の暮らしが豊かになった時代だった。
「論語と算盤」の中では、そのような物質的豊かさを手に入れた日本人が失った「心の豊かさ」を論じている。
企業活動は利潤を追求することも大切だが、その根底に正しい道徳がない限り、その企業は自らの我欲に倒れ、社会的に存続することが不可能になると、澁澤栄一は何度も述べている。
今私たちの生活は、過去のいかなる時代と比べても、便利で豊かな社会であるが、我々の生活には本当の豊かさがあるのだろうか。
世界は本当に豊かになったのか。これからの世界はどうなるのか。
資本主義の大転換期である今、次に向かう時代のために、今何をすべきか。
1200年間、澁澤翁の育った土地、深谷にて人々のこころを繋げてきた、
天台宗の寺院 瑠璃光寺様が
まずはとにかく、「論語と算盤を原書で、みんなで読んでみないか」という想いから、
4月17日から勉強会を発信する。
知行合一 学びを実践に。
これも澁澤栄一の信条だった。
「論語と算盤」の原本を、毎週読んでいこうという活動を主催してくれる。
書店に多くの書籍が並ぶが、解説本や略本が多く、原本を読む人は少ない。
どんな本も、原本を読まない限り分からないことが多いのだ。
「原本を1年かけて読もう」というシンプルな活動である。
どのような形で受講できるのか。
誰もが気軽に学べるように、You Tube Liveで発信する。
勿論、参加は無料だ。
出来れば一緒に読んで欲しいので、Liveだと一体感は感じるかもしれない。
本は各自購入して欲しい。
朗読は瑠璃光寺 光明殿塾 塾長でもある永島紀子氏。
事務局及び広報は、直祐様が行われる。
毎週土曜日、朝9時から発信するが、
You Tubeなので、見逃してもアーカイブでいつでも見れる。
「聴くだけでもいいから毎週30分間、耳を傾けて欲しい」
深谷が生み出した近代産業の父、栄一翁の言葉を、
深谷から発信する。
解説は、当協会の暦学士が担当する。
書籍のご案内
「論語と算盤」(角川ソフィア)