四柱推命の《空亡》、算命学の《天中殺》理論の違い
空亡における弧虚理論
空亡及び天中殺には、子丑・寅卯・辰巳・午未・申酉・戌亥の合計6種類あるが、これらは全て配する十干のない十二支であり、十二支が孤立している状態である。それを空亡理論では《弧》という。
対衝関係とは、向かいあい、互いに衝突しあう関係であり、北方の子丑は南方の午未が対衝関係であり、東方の寅卯は西方の申酉、天頂の戌亥は地上の辰巳である。 つまり弧(空間がなく孤立しているもの)を子丑とすると、それに対衝するもの(午未)を虚といい、弧と虚をセットで空亡としているのが、五行大義による推命学の空亡理論である。 空亡はどの日が良いか悪いかという時間を判定するものにのみ使われており、算命学のように人間の思考分析には用いられていない。空亡理論は、戌亥天中殺の期間(甲子・乙丑・丙寅・丁卯・戊辰・己巳・庚午・辛未・壬申・癸酉)の10日間は、戌亥の方位と共に辰巳の方位及び日時を凶としている。 戌亥を空亡の弧とし、辰巳を空亡の虚という表現で区別をしているが、両方とも凶であるが、算命学では戌亥のみを凶としている。
つまり、算命学の天中殺理論は、空亡の弧のみを空間が虚であると表現しており、この算命学で言うところの虚とは、空亡理論の虚とは別の意味を示しているしており、日時の判定以外に思考分析法に活用しているのが大きな特徴である。
3級のテキストに記載されていた、空亡の弧虚とは上記の事を説明したものであり、授業での説明が曖昧であり、大変申し訳なかったと思う。
さて、ここからは 当協会の弧虚理論を展開したい。弧虚という中国独特の時空間理論を説明した理解し、今後の参考にしてほしい。この考え方は2級の時空間論で説明を行う箇所であるが、孤虚理論は諸説あり、混乱を来すと申し訳ないので、ここでまとめておきたいと思う。 尚、上記の空亡の弧虚理論とは違うものであるため、別のものと捉えて戴けたらと思う。
弧虚理論 東洋史観の時系列理論 数理暦学
数理暦学で捉える弧虚とは東洋史観の時系列思想つであり、弧というスポットがあり、その間を繋げる空間が虚である。
鉄道に例えると、駅に当たるものが《弧》である。《弧》とは、目的や夢、その時の意思の反映や、何をしたいかという漠然とした想い・夢である。 弧というスポット、駅、目的を繋げるもの、駅と駅の間を繋ぐ線路の役割をする空間が虚である。
東洋史観の時間的空間とは、弧と虚が織りなして進んでいく。 弧とは孤立の弧、故に、其々が孤立しているスポットであり、その弧の間を隙間なく虚が埋めるだけのエネルギーがあれば弧と弧を連結することが出来るのだが、そのエネルギー密度が低いと弱さが出る。
虚が弱い人間を虚弱といい、継続性のない人間・飽きっぽい人間と人物評価ではみられるが、逆に虚が弱いからこそ、次の弧を瞬時に把握できるひらめきの感覚を所有する。弱いからこそ、効率的に移動しようという思考回路にもなる。
虚(線路)がしっかりとした人間は、着実に点と点を結びつけることが出来る為、着実で手堅い人間という捉えるが、目的地の急な変更や想定外の事故に遭遇すると迷走しやすい。その移動への行動や速度には個人差があり、それは虚のエネルギー密度で推定する。
時々、密度の濃い虚を持ちながら、弧を飛び歩く人がいる。又逆に、虚弱ながらしっかりと弧を自らの脚で歩む人もいる。
足元をみないで山登りが出来る仙人のように。
そこに到るまで相当な鍛錬を積まないと出来ないだろう。修験者のように。
その理論を踏まえ、当協会の天中殺理論(空亡理論)の弧虚理論について考察してみよう。
十二支は存在しても十干がないのが空間虚、算命学では天中殺という。当協会は算命学の思考回路分類法を取り入れている為、空亡て算命学の違いは教えるが、算命学の天中殺理論を皆様に学んで戴いている。
そのため、算命学の天中殺理論とは、弧(駅)という空間的目的が見えにくい状態であると解釈する。寅卯天中殺の人の場合、どうしても東側(外側)に弧を描けない。故にその逆の西側に描いていく。
時間考察でみると、現在は申酉天中殺期間である。 つまり、申酉天中殺に属する人は、現在東京駅にいて名古屋で仕事をするつもりが、間違えて仙台に行ってしまう。 虚が強い人は岡山まで行ってしまうかも知れない。そしてここからが複雑なのだが、天中殺には、宿命中殺所有者(生年中殺・生月中殺・日座中殺)という生まれた時から弧はあっても虚(線路)が虚、つまり線路が霧の中で見えにくい人がいる。さて、この人達が天中殺期間はどうなるかというと、虚虚の実という理論があり、天中殺期間は霧か晴れて見えるのではないかという説とと、いや見えないものは見えず、更に見えなくなるのではないかという説の両論がある。この答えの検証は、その該当者の経験と感想をデータとして積み重ね、統計学として解析し、数値化して検証くことが必要で当協会の今後の研究課題でもある。
この文章を読んで感じたことのある所有者は是非投稿して、協力戴けたら助かります。
授業で空亡理論と天中殺理論を教えようとしたかったのですが、途中で混乱すると思い、天中殺理論を中心に、空亡理論は敢えて明確に説明しなかったのは、私の力量不足で申し訳ありませんでした。又今後のテキストに掲載するべきかどうか再度検討致しますが、当協会は四柱推命と算命学原理の基となった古代から続く推命学を正確に伝えることを主眼としているため、両方を記載しその違いを説明する事は大切な事でもあり、ご質問等戴けましたら真摯な姿勢で受け止めたく思っております。理解しづらかった所がありました事お詫び申し上げます。授業で又感想を伺いますので、アドバイス戴けたらと存じます。 以上補足まで。 拝、古藤
古藤先生、こんなに長文で丁寧にご解説頂き、恐縮です。
なかなか理解するのは難しいですね。算命学の知識が逆に邪魔をしているのかもしれません。
質問の回答としましては、
算命学で「天中殺」としているものを数理暦学では「弧」と呼ぶ(五行大儀の弧虚理論より)
ということで、よろしかったでしょうか。
前回の講座では「虚」でご説明されていたので混乱しましたが、テキスト通り「天中殺=空亡=弧」ということですよね?
★ホワイトボードの説明で、例えば申酉天中殺なら申酉が虚、寅卯が弧 とご説明されています。
「虚=空間がない」ので、思考法は弧に向かう。
無いものねだりをしても、無いものはないのだから対衝の弧に向かうことが運勢をあげる秘訣。
……のような感じでした。
もう一つの質問についてですが
「対衝」という言葉は、五行大義に記載されている用語、つまり専門用語
という理解でよろしいでしょうか?
意味は、「向かい合い、互いに衝突し合う関係」ということで、ご説明頂きまして、ありがとうございます。
先生からは止められておりましたが、いずれ五行大義も読んでみたいと興味が湧いてまいります。
また今回のご説明で「弧とは孤立の弧」とありますが、ゆみへんの「弧」は弧を描くという曲線の意味が通常かと思います。
こちらも、五行大義による特別な文字と意味ということですよね。
これもまた興味深く、どのようなストーリーで曲線が孤立という意味に繋がるのか考えると面白いかもしれませんね。
いずれにしても、とても難解に感じました。先生のこの文章を理解できるよう、しばらく読み続けたいと思います。
お忙しい中、ありがとうございました。
長谷部先生 皆様
弧虚理論など、なぜ初期の段階でこのようなテーマを数理暦学では取り上げたかと言うと、天中殺=良くない時期という一元論的なものではなく、良いこともあれば悪いこともある 凶の裏側は吉であるという二元論的発想で全体を見て戴きたいので、数理暦学では少し難しい言葉を使用してしまいました。申し訳ありません。
算命学は故高尾義政文学博士が中国古代よりの論理を編纂された学問です。天中殺に関しても、博士は非常に奥深い言葉をたくさん残されておりますが、博士死後四半世紀を経てくると、言葉のみが一人歩きしていくことに懸念、故に数理暦学では非常に繊細な問題と扱いましたので、教科書ではわかりにくい記述となり、申し訳なく思っております。 五行大義研究は禁止しておりませんが、長谷部先生はじめ、講師の先生方は、まずは教育の現場に立ち、楽しく分かりやすく指導する自信をつけてから、学ばれた方がよい分野と思っております。まずは指導講師としての経験と自信をつけることから始めて戴きたく思います。この学問は奥に入れば入る程、更なる奥があり、奥に進めば進む程、指導することに難しさを感じる学問です。今回の私の説明のように、皆様を混乱させることは良くありません。五行大義まで研究を進められると何年かかっても指導する自信などつかなくなるので、勉強は一生のものという覚悟で、長い眼でみて歩んで戴けたらと思っております。生徒さんからの質問を真摯な姿勢で受け止め、ひとつひとつ丁寧に返答することが、自然に先生方に実力をつけてまいります。対衝という言葉は、推命学の古書と中国古典を細かく比較検討している訳ではありませんし、私達の知らない漢字の組み合わせは原書には数知れず出てきますので、何をもって専門用語と意味するのかご質問の意味が分かりませんが、個人的にはこの漢字の組み合わせは非常に的を得ているなと思います。対称では弱い印象です。弧は大変失礼いたしました。出張続きなもので、スマホで回答させて戴いたのに無理があったようです。今後は文字の投稿には留意いたします。ご指摘感謝です。