
聖人設卦觀象。繋辭焉而明吉凶。剛柔相推而生變化。是故吉凶者。失得之象也。悔吝者。憂虞之象也。變化者。進退之象也。剛柔者。晝夜之象也。六爻之動。三極之道也。是故君子所居而安者。易之序也。所樂而玩者。爻之辭也。是故君子居則觀其象而玩其辭。動則觀其變而玩其占。是以自天祐之。吉无不利。
鼓之以雷霆。潤之以風雨。日月運行。一寒一暑。乾道成男。坤道成女。乾知大始。坤作成物。乾以易知。坤以簡能。
易則易知。簡則易從。易知則有親。易從則有功。有親則可久。有功則可大。可久則賢人之徳。可大則賢人之業。易簡而天下之理得矣。天下之理得。而成位乎其中矣。
昔の賢人たちは、自然や社会の動きを注意深く観察し、それらをわかりやすい図(卦)や言葉(爻)で表現した。その目的は、人々が物事の未来や運勢を予測し、よりよく生きるためである。
世の中には常に二つの相反する力がある。
この二つの力が互いに作用し合うことで、世の中は常に変化を繰り返している。
『易経』では、人生の良し悪しを「吉(良い)」と「凶(悪い)」で表現する。一般的には「何かを得ること」は吉、「何かを失うこと」は凶とされる。しかし、実際は単純な善悪で判断できないことも多い。
例えば、年齢を重ねると失うものが増えるが、それは必ずしも悪いこととは限らない。マイナスが重なってプラスに転じるように、人生は複雑で奥深い。この複雑さが『易経』の魅力だ。
人が迷ったり悔やんだりするのは、選択肢が多すぎて状況が複雑だからだ。選択肢が少なくシンプルであれば、人は迷わず、安心できる。
どうすれば悩みを簡素にするのか。
『易経』では「筮竹(ぜいちく)」という占いの道具を使い、人の迷いを消して、「天が示す道(天命)」を選ぶ。
悩んだら、天の意に従う。これが当時の人々にとって納得できる最もシンプルな方法だったのだ。
『易経』が伝える「変化」とは、「進む時」と「退く時」の両方を意味する。昇進も引退もただの変化にすぎず、吉凶はない。また、「剛」と「柔」のように、昼と夜、陰と陽、天と地は常に入れ替わって巡る。激しい変化の時代を「動乱」と呼び、ゆったりした変化の時代を「平安」と呼ぶ。しかし、この平安も立場によって感じ方が違う。
『易経』の代表的な象徴が、乾(天)と坤(地)である。
卦 | 方位 | 象徴 | 季節 | 性質 | 風 |
---|---|---|---|---|---|
乾 | 北西 | 天 | 晩秋〜初冬 | 陽、積極性、創造性 | 乾風(天風) |
坤 | 南西 | 地 | 晩夏〜初秋 | 陰、受容性、安定性 | 坤風(地風) |
天(乾)は物事の始まりを示し、地(坤)はそれを形あるものとして完成させる役割を持つ。
『易経』の教えは非常にシンプルだ。「易(理解しやすさ)」と「簡(シンプルさ)」があれば、世の中の真理は自然と理解される。
真理が理解できれば、誰もが自分にふさわしい役割や居場所を見つけることができる。
問題がない平穏な時ほど、『易経』を楽しみながらじっくり学ぶことが大切である。
例えば、「山」は落ち着きや安定、「水」は柔軟さや適応力を表す。これらをイメージし、自分の人生を深く考えることで、心を整理したり、自己分析が可能になる。
そして動乱時は、シンボルを見ればすぐに活用できるように、図表化している。
更にその64のシンボルには、孔子の解説も加えられ、日常の儒教的アドバイスとが数多くある。
「困難でも焦らず待つと良い結果が得られる」という教えも、その一例だ。
故に、易教の64のシンボルマークに従っていれば、人の道を外れることがなく、強いては天の道、自然を味方にすることができるのだ。
自然と調和して生きることが、『易経』が伝える根本的な教えであり、
その思想は中国哲学の真髄でもある。人生をより深く豊かに生きるための知恵が『易経』には詰まっている。
すごいね!易教!
2025-04-03(Thu)
2025-03-05(Wed)
2025-03-05(Wed)