二宮尊徳に学ぶ事業提携の法則

交際の道は、碁将棋の道に法とるを善とす。
夫れ、将棋の道は強き者、駒を落として、先の人の力と相応する程にしてさすなり。
甚しき違ひに至つては、腹金と又歩三兵と云ふまでに外すなり。
是れ交際上必用の理なり、
己富み、且つ才芸あり、学問ありて、先の人貧ならば、富を外すべし、
先の人不才ならば、才を外すべし、
無芸ならば、芸を外すべし、
不学ならば学を外すべし、
是れ将棋を指すの法なり、
此の如くせざれば、交際は出来ぬなり、
己、貧にして不才、且つ無芸無学ならば、碁を打つが如く心得べし、
先の人富みて才あり、且つ学あり芸あらば、幾目も置きて交際すべし。
是れ碁の道なり、此の理独り、碁将棋の道にあらず、人と人と相対する時の道も、此の理に随ふべし。
（二宮翁夜話　巻之四）

事業提携は、将棋と
碁の法則に従うと良い。

将棋の法則は、強い方が駒をわざと落とし、
弱い方のレベルに合わせた上で、勝負を行う。

相手との差が大きければ大きい程、
勝敗を左右する勝負の駒さえ
外して行う場合もある。

これこそが、弱き者と互角に戦うルールである。

経営・財務面上、自分の方が有利であれば
その条件をリストから外しなさい。

技術力に秀ででいれば、
その優位性を外しなさい。

デザインセンスが優れていれば、
その自負心を外しなさい。

学歴が高い社員が多ければ、
それを誇示することをやめなさい。

自分に有利な条件を、敢えて自分から外す。

相手と互角に話し合える環境を整えない限り、
真摯な人間関係など築けない。

それでは逆に、
自分が不利な場合は
どうすればよいのか。

自社の方が経済的に不利で、
革新的な技術もなく、
知識・教養の高い社員もいない場合は、

碁の法則に従え。

相手が優れていることを十分認め、
敬意を払いながら、

先に条件を提示させて貰う。

その際、絶対に卑屈になってはいけない。
萎縮すると守りに徹してしまい、
戦いそのものを、最初の時点から
放棄してしまうからだ。

これこそが、碁を打つ際の心得である。

 

人間関係にも使える法則

これは二宮尊徳の記した「交際の法則」である。

人間関係には必ず高低差がある。

全てのファクターで平等な人間関係など
世の中には存在しない。

故にすべての人間関係が勝負である。

その場合、スタート時点は、
有利な方がハンディを背負い、
同等にならない限り、始まらない。

そうしない限り、
スタート地点で
既に勝負がついてしまうからだ。

自分と同レベルの人だと思っても、
個々のファクターにに注視すると、
必ず高低差がある。

その高低差が拡大すると、
人間関係が難しくなる。

「あいつ、俺と同じレベルなのに、
上から目線で物を言う。」

という事になってしまうのだ。

故に、自分が優位だと思う点は、
相手にレベルを合わせて進めない限り、
勝負は綺麗に始まらない。

その結果として、勝者になっても、
そこに遺恨は残らないからだ。

この尊徳の言葉を、
今度は通常の人間関係に置き換えてみよう。

高学歴の婚活女子たちへの
メッセージに書き換えてみたいと思う。

高学歴の婚活女子へ　by　二宮尊徳

好きになった人が、あなたより、
知識やスキル、学歴・家柄が低い場合、
戦略的に行わない限り、
男はプライドがあるから、
かなり厳しいと思う…。

古来から様々な戦法はあるが、
今回は、将棋の法則をアドバイスする。

あなたの方が彼より給料が高い場合、
あなたの貯金を減らしなさい。

「彼の給料低いから、しっかり貯金しなきゃ」と
思うかもしれないけれど。

自分より給料も高く、
貯金もある女性とは、平等な関係など作れない。

勝負に勝ってから（結婚してから）
貯蓄を増やせばよいと思え。

そこまで彼が好きならば、
貯蓄をどこかに寄付する位の気概が大切だ。

あなたの方がスキルが高い場合は、
彼の得意な分野を見つけて、
スキルのバランスをとりなさい。

例えば、
語学が堪能、経済の知識が豊富なあなたは、
仕事でも評価は高いだろう。

その場合、あなたが全く不得手で
相手が得意な分野を見つけなさい。

仕事でも、趣味でも、運動でもなんでもいい。

例えば彼は大学時代テニス部で、
あなたは全くテニスが出来ないとする。

その場合、あなたの方が積極的になり、
友達を誘って、
テニスに行くことを推奨する。

2人で行っては効果がない。

彼の優れた点を周知させることがポイントだ。

問題は、あなたの方が学歴が高い場合だ。

あなたが気にしなくても、
コンプレックスを感じる男性は多く、
相手が気にする以上、
これは、極めて難しい問題である。

尊徳先生は、「学を外せ」と言っている。

学歴とは、
あなたが学んだ歴史、Study History

歴史であるため、隠す事や偽る事はできないが、

歴史の場合、

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」特長がある。

時間の経過と共に、他の歴史が重ねられるため、
インパクトが薄れるのだ。

しかし、問題が生じたら、
それが原因だと言われるのが歴史でもある。

あなたは悪くなくても、
「お前はすぐに高学歴を鼻にかける」
と言われる場合もあるだろう。

それを理解した上で、
それでも彼が好きならば、次の作戦を伝授する。

あなたの学歴が判明している
社内恋愛では厳しいが、

合コンなど初対面の場合であればまず次の策を献じる。

兵法三十六計から
瞞天過海（まんてんかかい）兵法を紹介する。

天を瞞（あざむ）いて海を過（わた）る
兵法三十六計

最初の出会いでは、あなたの学歴はまず隠す。

嘘を言う訳にもいかないので、
「えっ？」っと、とぼけて軽くスルー。

その後、徹底的にキャラ立ちをすることだ。

キャラ立ち（キャラだち）とは、
自らの個性を際立たせ、
1つの独立したキャラクターとして
他者に認識させる作業である。

英語でいえば、
パーソナル　ブランディング。

例えば、
「タイ料理が得意でネコが好きな、盛岡出身の女子」
というキャラクターなら、
徹底的にそれを前面に出す。

勿論、このキャラクターは真実でなければならない。

瞞天過海では、「天を欺いて」とあるが、
結婚は実生活なので、嘘だと自分の方がつらくなる。

自分のパーソナルブランドを前面に出す。

しっかりとキャラ立ちしながら、
彼との関係を深めていく。

あなたに慣れて、
警戒心を懐かなくなるレベルまでもっていく。

カミングアウトは時期をみて行うが、

そこまで馴染んていながらも、
ドン引きしてしまう相手だったら、
人間力が弱いから、激動の時代を共に生きる
パートナーには無理だと思って諦めなさい。

ちなみに、パーソナルブランドなので、

ブランディングの時に、
「タイ料理が得意でネコが好きな、
盛岡出身の東大卒の女子」

の方がいいと判断すれば、
そのままの路線で行けばよいだけだ。

問題は、
パーソナルブランドを明確にすること。

それがないと、「東大卒の女子」だけが
クローズアップしてしまうのだ。

レベルの高い男子を落とす方法　by　二宮尊徳

次は、自分の方が不利な場合だ。

ハイスペック男子を落としたい時は、
碁を打つ心掛けが大切だ。

まず、相手を畏敬しすぎないこと。

例えば、
幼稚舎から慶応のラガーマン、
身長180センチ　語学堪能、港区在住
一流商社勤務のハイスペック男子

相手を凄い、
モテるんではないかと思うと萎縮してしまい、
攻めることなどできず、
守りの姿勢、待つことで終わってしまう。

そうならないようにするには、

相手に対して敬意を払いながらも、
自分の方から最初の一手を打つことが大切だ。

つまり、自分から誘ってみる。

そこで、注意せねばならないことは、
碁石を持ったまま考える癖がついてしまうと、
相手のペースに引っ張られやすいという点だ。

相手からのLineに、
思わせぶりに返答を遅らせたり、
何て送ったらよいのか考えすぎて躊躇すると、
逆に相手のペースになってしまう。

そうなると、

彼から返信が来たと思ったら、
全然来なくなったり…
相手のペースにはまって、不安感に苛まれる。

そうなると、攻めの手が打てず、
ひたすら守りに徹してしまい、
待っていることに疲れ切り、
自己瓦解してしまうのだ。

いくらハイスペックな相手でも、弱い所は必ずある。

それを冷静に全体から捉える。
相手のペースの飲まれずに、
自分のペースで進ませる。

付き合っている内に自分のペースにもっていかない限り、
ハイスペック男子との結婚生活はきつくなる。

二宮尊徳が教えてくれた将棋と碁の方法。

如何でしたでしょうか？

これで婚活が成功したら、
全国の小学校の校庭にある、二宮尊徳（金次郎）像に
お詣りしてください🥰

東洋古典は面白い！

 

一般社団法人数理暦学協会
山脇史端

下記サイトに要約文を掲載させて戴いております。

当協会はアジアビジネスコンサルタントとして
暦学を提唱させて戴いております。