数理暦学講座2級講座の後半が12/16よりはじまりました。前半は東洋史観に基づく「時空間理論」です。
『弧虚理論』といい、ざっくりと云うと、自分が向かうべき目的と目的の間をエネルギーが繋いでいる、という考え方です。
たいへん興味深いのは、この理論が我々が無意識に見聞きしているものの中に潜んでいる、ということです。
先生が例として挙げられたのは『銀河鉄道の夜』と、『きみの名は』でした。なるほど、お話を聞いた後に思い起こすと、諸々合点がいきます。
時空間という、時と空間を同列にとらえる、あるいは同一のものと考え方自体は非常に東洋的です。
例えば西洋発祥の科学では、質量依存するエネルギー(「位置エネルギー(その場に存在するエネルギー)」と「運動エネルギー(その場から移動しようとするエネルギー)」の2つ)があって、そこに「時間の変化」が加わるという考え方が一般的です(あまり意識しないかもしれませんが…)。
例えば「ゴールを決める!」「目標を決める!」といった場合も、ゴールを「どこに?」決めるか(位置)ですし、「いつまでに?」達成するか(時間)の2つの軸を設定しますよね?
物理的な概念でないものも疑似的に物理化することで、《達成までを見える化》したのが西洋的思想、
これに対して、弧虚理論では少し乱暴に言うと、《目的》と《目的を達成するエネルギー》という2つの理論を、ひとつの軸であらわされている、ということでしょうか。
現在の私たちの認識では、単純にモノを動かすことを物理ととらえ、それ以外を「精神世界」ととらえる傾向があります。
果たしてそうやって分けていいものか。
そういう意味では、孤虚理論は精神世界の一つとして考えて差し支えないかもしれませんが、「意識」というものに着目した史上最古級の理論であるのは確かです。
数理暦学の技法を学ぶと、いままで何気なく見てきたものに新しい発見があって楽しいですね。
同時に、東洋史観が常識とされていた時代に、西洋の思想が入ってきたときの斬新さもなんとなく想像できて、帰り道で当時の人たちのはしゃぎっぷりを勝手に想像して楽しんでいました。
事務局・荒木