Shidan Yamawaki
陰陽五行論に興味を持って欲しい
私の先祖は、山𦚰東洋(1705-1762年)という日本で初めて解剖を行った江戸時代中期の医学者です。
祖先の功績により、オランダより伝わる西洋近代医学の正確性が証明され、それまでの五臓六腑の考え方の誤謬を指摘し、日本医学の近代化に大きく貢献した人物であると評されています。
明治に入り近代医学が本格的に参入して以降、我が国の医学は大きく躍進し、世界に冠たる長寿国家になりました。
しかし、精神面での問題は立ち遅れております。
《こころ)とは、文化的思想背景が大きく要因しているため、西洋の精神医療が全て当てはまらない面もあり、精神医療やカウンセリングにもドイツ・アメリカ系の理論では限界があるのは、当然とも言えます。また昨今の精神医療は脳の研究に重きが置かれており、包括的な捉え方(ホリスティック的な捉え方)から益々乖離しているように感じます。
AIの黎明時代の今だからこそ、《こころの問題》は大切です。
自己と非自己の境界線をしっかりと確立しておかないと、こころの不安定さは増すのではないでしょうか?
先祖からのメッセージ
山脇東洋は実証主義者でした。天皇の典医、法眼という当時の医学会トップの立場にいながら、古くから伝わる陰陽五行説に基づく五臓六腑図に疑問を抱き、49歳の時、幕府の許可を得て人体解剖を行い、54歳の時には、その成果を解剖図録『蔵志』に著わし刊行しております。
この図禄の影響を受け、20年後に、杉田玄白・前野良沢は、ドイツ人クルムスの著作『ターヘルアナトミア』というより正確性の高いオランダ医学書を翻訳し、『解体新書』が刊行されたと言われております。
その後の医学者達の貢献により、現在医学は大きく進歩しております。
しかし、現在の医学は、臓器や疾患など部分医療であり、人間を人間とて包括的に捉えることは行われておりません。そのため、身体と精神、心と身体の不調和を訴える人は増加しているのです。
それでは、人間を包括的に捉える学問は何かというと、五臓六腑を始めとした陰陽五行理論なのです。
WHO世界保健機関は、「健康」を次のように定義しています。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、心身の健全なる状態と同じく、社会的にもSpirit(精神)満たされた状態であるのです。
私の先祖、山𦚰東洋が実際の身体との矛盾点を指摘した「五臓六腑」とは、「気の流れ」「易」「推命」、そして「運勢」全体を把握しながら考察する古代中国より伝わる医療です。
この伝統的な考え方を再び見直し、提唱することこそが、先祖より課せられた私の人生の課題であるように強く感じるのです。
日本人の思考の原点に、中国古典あり
中国古典の根幹にある陰陽五行論とは、私達の思想の原点にある論理性です。自然概念から干支暦を活用した人物考察法などの考え方の原理であり、この原理を用いることでホリスティック的に人間を捉えることが可能です。
私は、算命学宗家高尾義政先生に永年指示され、唯一人その奥義の伝承を高尾先生より許可された、現在の算命学学会最高峰でもある、清水南穂先生と今から18年前にご縁を戴きました。その後、師の個人指導により、算命学の奥義を習得致しました。
この算命学原典の運命の判定法を土台とし、京都在住の東洋哲学研究者 亀山眞一先生より中国古典を学び、現在の人達の問題点を解決する方法を導きだすことで、当協会の二つの理論、数理暦学と干支暦学を編纂し、学理分野を担当しております。
陰陽五行原理を実証したものとして活用するには、非常に複雑な関数計算式が必要です。㈱UNGA-Labとの共同作業により算命学及び四柱推命の論理式を全て関数化し、数理体系化を行うことで、当協会のIT化推進を行っております。
このチームの力により、3000年もの古き学問を徹底数値化し、IT化を行うことが実現され、中国古典を未来を切り開くメソッドとし、生まれ変わります。
日本人のこころをサポートし WHO憲章にある 身体と心とスピリット、社会の健全化を目指して。
山脇史端
壬寅年東京生まれ/埼玉県在住
田園調布雙葉学園・東京女子大学卒
清水南穂氏より算命学を学ぶ
磁器絵付師
http://porcelainart.web.fc2.com/index.html