3500年の歴史を持つ《干支暦推命法》は、中国最後の王朝《清》の滅亡、共産党国家の樹立・文化大革命により、この知識を有する知識人が国外に逃れたことで、その真髄を知り学べるようになりました。その為、非常に古くて、そしてとても新しい学問になります。
中国史で見る、一番古い記録は、伏羲の時代です。伏羲は人の頭で身体が蛇という姿で描かれている伝説の王で、「八卦」という陰陽理論を最初に考案したのが、この伏羲とされています。この伝説の時代から、王朝として歴史上、最初に登場するのが「夏」王朝、そしてそれに続くのが「殷」王朝です。この殷という国は卜占が中心の国でした。亀の甲羅や牛などの骨を火にかけ、ひび割れた形で判断することを「卜」といいます。この偶然性による天意を読み解く事を、数理判断に移行させたのが、殷帝国が滅ぼした周の文王です。文王は伏羲の陰陽理論を六十四理論に発展させており、これを周易といいます。
この周易の解説書が孔子の易経です。易経はその後漢の時代に四書五経が編纂された時、その最初に登場する大切な経書になりました。
そしてもう一人、揚子江流域の楚の国に鬼谷子という人物により高度な分析法に発展された理論が、前述「史記」に記されています。
鬼谷子
鬼谷子は鬼谷という所に在住していた哲学者であり、本名は王翻(おうく)。
春秋戦国時代、軍略家(縦横家)として名を馳せた蘇秦、張儀の師匠であったことから、軍師達の師匠と語り継がれた人物で、権力者の性格と気持を考慮しながら、論理的にアドバイスするその技法こそ、古代中国の心理学の真髄とされている技法と言われております。
つまり、諸侯達(経営者)の人物像を把握し、その人物が求める言葉を用いて自らの目的へと誘導するその手法こそ、蘇秦・張儀が得意としたことから、それこそが鬼谷子の奥義だったと言われています。この鬼谷子の技法は、《一子相伝》で継承により、清王朝へと2000年間もの時間をかけて受け継がれていきました。
算命学から数理暦学へ Our History
戦後、清王朝の崩壊、共産党が政権樹立、その後の文化大革命を通して、多くの学者や哲学者が台湾・シンガポール・香港、そして日本へと亡命することで、永い間、国家権力を支える秘法として持ち出されることがなかった、干支推命学の奥義が、世界へと分布されることになったのです。日本は江戸後期から明治・大正・昭和時代において占いがブームだったこともあり、四柱推命・算命学という名称で《中国占星術》という形で伝えられてきました。
算命学とは
算命学とは、戦後長崎在住の故高尾義政文学博士(昭和16年9月13日~平成2年6月2日)により、編纂された推命論(命理論)です。
高尾氏は幼少の頃、長崎に亡命された僧侶、呉仁和師から、中国推命学の奥義を学ばれ、昭和40年代に入り《算命学》と名付けられました。
《算命》とは、三命法を語源とし、台湾では算命を推命学全般の事を意味しているため、命名されたのではないかと推測します。現在台湾では、天命を算術により読み解く技術を総称して《算命》と呼んでいることから、呉仁和師が高尾氏に教えた学問を、呉仁和師自身が、算命と呼んだため、そのまま算命学と名付けられたのかもしれません。
故高尾氏は、平成2年48歳で亡くなられましたが、我々は、高尾氏と同年齢であり、現在の算命学業界に第一人者とされる清水南穂氏に、算命学の直接指導を受けて、今日に至ります。
算命学と数理暦学
清水南穂氏による個人指導を18年以上受け、奥義を習得した研究者としての問題提起は次の2点になります。
《算命学》は、27年年前に高尾義政文学博士が48歳で急逝されて以来、その研究が止まったままであること。正式な知識の習得者が少なく、高尾先生から学ばれた方々の高齢化による頭脳の喪失、そして、占いとして伝承されたことによる限界点です。
この学問の次世代への伝承を考え、我々は28年前に遡り、清水南穂氏と共に高尾氏が何を目指されていたのか、解明することから始めました。
27年前は、ITの黎明期でした。高尾氏はITの発展により、干支暦による人物解明が飛躍的に開発、臨床的データをとることで、統計学として立証され、学問として成立することを望んでいらっしゃいました。
その目的を達成させるためには、占い的要素の強い算命学から新たな学問を発信する必要があると感じたのです。
そして、もう一つの私たちの目的は中国古典の啓蒙です。IT技術で精密に計算した干支暦学の結果は《理》です。そこには感情もなく、冷静な判断基準しかありません。人間とは、陰陽二元論、《情》と《理》で構成されています。干支暦学という《理》に、情のある人間思想を取り入れることで、初めて占いではなく学問になります。中国古典においても、干支暦学という《理》を用いることで、実践的な解釈へと発展していきます。
その為、我々は干支暦学という《理》の部分
干支暦学に中国古典哲学という《情》の部分を組み込んだ学問を数理暦学と命名し、次世代へと発展させることを目指しています。中国古典の根底にある思想は陰陽五行理論であり、これは干支暦学の原理でもあるのです。
尚、当協会は、高尾氏とその伝承者清水南穂氏に敬意を表し、算命学をそのままの形で伝承することの必要性を感じ、算命学カウンセラー協会を支援しております。
算命学カウンセラー協会は、高尾氏・清水氏の算命学の研究をそのままの形で次世代に伝えること、また、算命学を学ばれた方々へ、我々が所有している両氏の算命学の記録をお伝えし、算命学の発展へと繋げて戴くことを目的とした、非営利団体として運営されています。
数理暦学協会のミッション
算命学を昭和時代の干支推命学の研究と編纂としたら、数理暦学は占いではなく学問としての成立を目指して、発展させることを願う団体です。
その為に、我々はまず、当協会の学問を、数理暦学と干支暦学の2つに編制しました。
ミクロ的ビジョンが干支暦学、マクロ的ビジョンが数理暦学になります。
先の見えない今の時代だからこそ、動乱の時代に生み出されたこの学問を学び、新たな時代を創造してください。
天地自然が永久に動いているのと同じく、私達の人生も終わるまで動き、創造進化をしていきます。
その変化の法則を理解することは、天地の動きを理解することと同じであり、それこそがこれからの時代に必要な知識だと思うのです。
Our System
数理暦学
- 歴史的背景・文化理論などを学び、人間の思想的源流を考察する。
- 陰陽五行論の理論を、ビジネススキームとして活用する。
- 華僑の思考体系を学ぶことで、今後の東アジア経済における判断材料の基軸とする。
- 時代考察、社会、組織、人物分析を習得する。
- 東洋史観の基幹となる書物を、《老子経》と《易経》とし、この書の基軸を成す陰陽五行論を用いた理論展開
東洋哲学という視点から、物事を捉え、組織や社会全体の力を向上できる人を育てることを目的としています。
干支暦学
- 生年月日という個人情報を基軸とし、個人の資質・人物像・成功法など、個人に関する解析方法を習得する。
- ITを活用しながら干支暦を解析することで、実践的ノウハウの集積を行う。
- この知識を活用した講師養成(インストラクター養成)に力を入れる。
- 干支暦学は3級・2級・1級の3段階から構成されている。
カウンセラー養成
当協会は、干支暦を用いたカウンセリングは医療従事者にしか認めておりません。それ以外の方は、東洋史観講師・人材育成コンサルタント・セミナー講師として活動を支援します。
干支暦学 セミナー講師
- 干支暦学2級試験の合格者を対象とします。
- 講座開講が許可され、協会より教室開催の権利を貸与されます。
当協会のセミナーは、Instructional Designの教育手法により、難解な干支暦推命法の履修を提供、オンラインセミナーと対面講座の両方を活用し、指導しております。その為、全国一律、高いレベルの指導を受けることが可能です。