陰陽五行論(二十四節気)と薬膳料理 ⑤処暑 (岡田雫)

先日の染谷先生のブログで「立秋」のお話がありましたが、8月23日からは「処暑」になります。

処暑とは、処は来て止まるという意味で、ようやく暑さが治まる時期になります。

暦の上では、これからは過ごしやすい日も多くなるので期待したいところですが、残暑はまだまだ厳しいようで、もうひと踏ん張りといった所でしょうか。

処暑の七十二候については、次のブログで染谷先生より詳しくご説明頂けますので、今回は初秋の養生についてお話致します。

初秋の養生

「秋」は五行論で分類すると金性です。
秋は「金性」

方向は「西」 
色は「白組」
臓器は「肺」
臓腑は「大腸」
器官は「鼻」
味は「辛味」です。

干支暦学ではこのグループに、

五本能は、「攻撃」
五徳は、「義」
五欲は、「官」(仕事)と続きます。

夏から秋への季節の変わり目であるこの時期は、金性が強まる季節です。
仕事を頑張りたくなるキャリアアップの季節です。
何かにチャレンジしたい!と思うのが、実は春より秋なのです。
確かに1年で一番頑張ろう!と思うのは、この時期かもしれませんね。
そんな時期に、気をつけなければならないのは、大気の乾燥である「燥邪」です。


燥邪

「燥邪」は、ソウジャと読みます。
中医学では、気の原因を外因、内因、不内外因の3つに分け、外部(主に気候の変化)から病気を発病させる要因を「六淫(ロクイン)」といいます。
六淫の一つが ソウジャ(燥邪)です。

名前をみての通り、乾燥を引き起こす邪(悪い奴)です!

ちなみに他のメンバーも紹介しておきましょう。

風(ふう)、暑(しょ)、湿(しつ)、燥(そう)、寒(かん)、火(か)

有名なのが、リーダーの風邪かも知れません。

リーダーの本名はフウジャです。 カゼではありません。いつもカゼって呼ばれてカッコ悪いって怒っていました・・・。

ソウジャ(燥邪)は秋に活躍します。乾燥している気で、人体の体液を奪い取る特性を持っているため、ソウジャ(燥邪)の気に触れると、皮膚が乾いてかさつき、ひび割れ、髪はパサつくことが多くなります。

そう、美容の大敵でもあるのです。

涼しくなってお洒落しようと思うのに・・・こんな邪気が潜んでいるのです。

喉は潤いがなくなり、口の中は渇き、尿量が減って便が硬くなるなど、体内の水分不足による様々な症状が見られるようになります。
これ、大人の女性にも辛い状態ですよね。

呼吸によって大気と通じている肺は、もっとも影響を受けやすく、容易に、「燥邪」は侵入します。
肺の内部が乾いて熱を帯び、咳、痰、喘息などの症状が現れるようになるのです。

 

肺と大腸

東洋医学では、「肺」は「大腸」と表裏一体の関係にあり、肺と大腸は互いに連動して作用しています。

肺と大腸が表裏一体って・・・何だかピンときませんよね。

東洋医学では、肺と大腸は陰陽の関係で繋がっていると言われています。
つまり、肺が弱ると大腸も弱ります。この2つ、東洋医学的には、リンクされているのです。

肺と大腸の共通点は何かというと、肺は、酸素を吸って、毛細血管を通して血液に取り入れ、逆に細胞で使われて出てきた「二酸化炭素」を肺胞に取り入れ、呼吸によって排泄する・・・ つまり、空気の排泄器官です。

大腸はご存知の通り、身体のお掃除の排泄器官です。

つまり、この2つは排泄器官という共通点があります。子供の喘息も大腸を整えると良いという説もあり、肺と大腸の関係の大切さは感じます。

もう一度、金性のグループをまとめてみます。

秋は「金性」
方向は「西」 
色は「白組」
臓器は「肺」
臓腑は「大腸」
器官は「鼻」
味は「辛味」
五本能は、「攻撃」
五徳は、「義」
五欲は、「官」(仕事)

仕事でストレスが溜ると、呼吸器系と大腸に影響が出やすいというこの関係、しっかりと把握しておいてください。
過敏性大腸炎も、仕事をがんばらなければ!と思う責任感の強いビジネスマンに多いのです。
特に秋は仕事にチャレンジしたくなる季節、農作業でも冬に備えた収穫の季節でもあり、何かと忙しい季節です。
しっかりとソウジャ(燥邪)対策をしながら、ストレスケアもしていきましょう。
ソウジャ(燥邪)の次にやってくるのは、寒邪(カンジャ)です。中々手ごわい相手ですから、しっかりと対策を練っておくことをお勧めします。

ファッションを楽しみたいこの季節に、この大事な排泄器官に「燥邪」ソウジャが侵入してくるなんて・・・冗談ではありません!

気温が低下して皮膚が閉じると、鼻や口などの呼吸器とともに、排泄器官である大腸も、余分な水分や老廃物を体外に押し出すために働きます。

つまり、空気の排泄器官「肺」から、ソウジャが入り込みます。ソウジャの正体は何かというと・・・秋に吹く乾燥した風です。

そうすると咳、痰、鼻炎、喘息など、幅広い症状として出現するのです。
肺と大腸はリンクしていると考えられているので、大腸にも表れます。便秘、下痢・・・

勿論お肌にも。

1年で一番お肌が痛みやすい季節は秋ですよって、化粧品売り場に書いてありました。
まだ暑いのでイマイチピントきませんが、この季節から空気は少しずつ乾燥してくるのです。

 

燥邪対策

この時期に摂取したいのは「肺・大腸」を補う働きを持つものは、「辛味」の食材です。

葱、生姜、山葵、唐辛子などの薬味や香辛料はもちろん、大根、玉葱、紫蘇、韮なども良いでしょう。

また「辛味」の食材以外にも、秋にとれる旬の食材は「肺・大腸」の働きを補う物が沢山あります。 梨や柿などの果物や芋類、きのこ類や銀杏、百合根もおすすめです。

この季節にしっかりと肺と大腸を整えておかないと、冬の体調に影響します。

 

オリジナル薬膳デザート
「梨のあったかコンポート」♪ ・梨(くし型切り) ・生姜(5㎜角薄切り) ・カリンはちみつのど飴 ・枸杞子

*鍋に水とのど飴を入れて火にかける。
のど飴が溶けたら、梨と生姜を加え弱火で梨が柔らかくなるまで煮る。
最後に枸杞子を加えて火を止める。 温かいうちにスープと一緒に食べる。
梨は「肺」を潤し喉の渇きを止め、声がれや咳を止める効果があります。 カリンにも同様の効果がありますが、手に入りにくいので、市販の「カリンのど飴」を使いました。
とっても手軽で効果倍増です!
ただし、梨やカリンには体を冷やす性質があるため、体を温める生姜を一緒に使うと良いでしょう。

是非お試し下さいね♪

 

岡田 雫

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