海洋国家と大陸国家

東洋と西洋の違いについて、理解して戴けましたでしょうか?

もうひとつ、世界を分ける区分として、海洋国家と大陸国家という言葉があります。

地理的な観点から世界を捉える考え方を地政学といいます。

この区分けは、地政学の祖とされるイギリスの マッキンダー卿が100年位前に唱えた考え方です。

 

海洋国家

海洋国家とは、海との関わりが大きく、国土の大半あるいは広範囲が海に面している国です。

日本は勿論のこと、アメリカ・イギリス・ポルトガル・スペイン・オランダが挙げられます。

古代文明でいうと、フェニキア・カルタゴ(メソポタミア)・アテネが海洋国家になります。

海で囲まれていますので、海という自然の要塞の中で守られているため、独自の文化が育ちやすく、国内の団結力を維持しやすい特徴があります。

逆に、欲しいものを手に入れる為には海上に出るしかありません。自国を守る為にも制海権を握ることが必要なので、洗練された高度な技術と少数精鋭のスキルの有能な人材育成に力を入れてきました。

 

大陸国家

大陸国家とは、海に接している部分が少ない国で、陸上輸送や陸軍の力で国家の権力を掌握している国家です。

中国・モンゴル・ロシア・フランス・ドイツなどが挙げられます。

古代文明でいうと、黄河文明・ペルシャ文明・モンゴル帝国などが大陸国家になります。

陸上での動員数で勝敗が決まりますから、国家主権が強まる傾向があります。

大陸国家は、国境を他の国と接しているため、他国に対して、対等な関係より服従を要求する性質があります。

友好より自分達の方が強いか弱いか。上か下か。弱肉強食的な考えになり、また、考え方が内向きになりやすく、他を受け入れない閉鎖的な性格が強くなります。力を示すには量や数字、故に中国の文献でも奈何萬乘之主《老子道徳経》というように、何十万もの兵力というものにやたらこだわります。

想像してみましょう! ソウルからわずか30数キロの所に38度線があるのです。

つまり、日本橋をソウルの中心地だとしたら、30キロというと、神奈川方面だったら横浜、埼玉だったら越谷、千葉だったら松戸か幕張、都下だったら府中当たり…

そこに、北朝鮮との38度線があるのです。

しかも、陸路…。そうなると、国家を保つには、強い軍備力・人数が多い方が心強く、雌雄を決しないと安心して生活など出来ず、弱肉強食的な考え方と閉鎖性が強くなっても致し方ありません。

海洋国家は、海に囲まれ、他国と直接領土が接していないため、比較的のんびりとしており開放的、国内で独自の文化が育まれやすい環境にあります。また逆にどうしても必要なものがない限り、内政重視の質もあります。

想像してみましょう! 幾ら黒船が来たといったって、海の近くは危険かもしれませんが、内陸部への脅威は感じません。そのため、比較的のんびりとしやすく、フレキシブルに受け入れるだけの余裕も生まれます。

 

中国理論を独自に編纂する必要性

さて、ここでまとめましょう。

世界をまず、東洋と西洋に区分しました。

次に、東洋を海洋国家と大陸国家 西洋も海洋国家と大陸国家に分けました。

東洋 海洋国家 日本・台湾・東南アジア諸国・(インド)
大陸国家 中国・モンゴル・韓国・○○スタン・(ロシア)・(インド)
世界
西洋 海洋国家 アメリカ・イギリス・スペイン・ポルトガル・イタリア・ギリシャ
大陸国家 (ロシア)・ドイツ・フランス

これにより、世界を4つのグループに分けることができました。このように、2つに分け、更に2つに分けるという考え方が、陰陽学の考え方です。

中国人は、何でも物事を陰と陽、建前と本音にわける二元性がある…と言われています。

確かに中国人は東洋の大陸国家なので、雌雄をはっきりさせるため、その性質は強いように感じますが、建前と本音はどこの国にもあり、陰陽学とはそんなに安易なものでもありません。

ちなみに、海洋国家にアメリカが入っているのに、ちょっと違和感を感じましたよね。

アメリカの国境は、カナダとメキシコであり、どちらも争う程強くならなかった為、海上に意識を向けることが出来たから海洋国家であるという説と、海洋国家が発見した新大陸なので、海洋国家だという説があります。

ペルシャ文明(イスラム文明)は大陸国家に入っていますが、地形が千変万化し何の目標もない砂漠を、夜空に地図を描きながら旅する彼らにとって、砂漠は海上の移動と同じでありテクノロジーが発達した為、海に進出すると季節風を巧みに利用することで、ペルシャ湾からホルムズ海峡、インド洋を経てアジアへと海路を拡げていきました。そのため、大陸国家でありながら少し特殊性が生じています。

また、非常に微妙なのがインドと朝鮮半島。インドもは地理条件から北部は大陸国家、南部は海洋国家になりやすい国であり、どちらにもいけるが、下手するとどっちつかず。

朝鮮半島は中国と陸続きで、常に背後の中国を気にしながらの歴史的背景の為、大陸国家の性質が強いと言われています。

 

日本と中国・韓国との違い

日本と中国・韓国との徹底的な違いが、お分かり戴けたかと思います。

同じ東洋人なのですが、日本は海洋国家で、中国・韓国は大陸国家、ここに大きな違いがあります。

これは、東洋人と西洋人の考え方の違いと同じレベル、いや、もっと大きな違いであるとも言えます。

東洋人と西洋人は人種と宗教に大きな違いがありましたが、海洋国家と大陸国家は地理的環境で生まれた国民性の違いです。

運命学と同じで、例え同じ親から生まれても、育った環境が違うと人格も異なりますが、逆に、赤の他人でも、同じような環境で育つと性格は似通ってきます。

算命学・四柱推命・数理暦学干支暦学は、中国大陸の道教の方術や子平法を基として構築された学問ですが、大陸国家、中国の考え方のまま、我が国に導入しても、日本人のこころには届きません。道教そのものが、日本に入ってこれなかったのと同じこと。

海洋国家に合わせた解釈に編纂する必要があるのです。

数理暦学協会では、中国の干支暦学を用いながら、日本人のこころに届く学問として展開しております。

マッキンダー卿によると、海洋国は海洋国、大陸国は大陸国同志が《相性の良い組合せ》なのだそうです。

世界覇権も、太陽が沈むと月が出る、月が沈むと太陽が昇るのと同じ理論で、海洋国家と大陸国家が交互に掌握するそうです。

今まではアメリカ主導型、海洋国家の時代でした。大英帝国→ドイツ→アメリカとなると、次はまた大陸国家というのが時代の流れです。

その理論でいくと、ポストアメリカは、理論上は大陸国家であるロシア・中国かと言われています。

この視点で北朝鮮問題やアメリカの動きを追うと、何となく世界の動きも見えてくるかと思います。

トランプ大統領のレジュームチェンジもエネルギー資源という欲しいものがなくなった海洋国家としては当たり前の流れなのです。

習近平氏が永久国家主席に就任、いよいよ「始皇帝」に!という見出しがテレビや新聞をにぎわせていました。

ローマ帝国は本来大陸国家でしたが、地中海を制圧することにより、海上覇権も手に入れ長期に渡りその権力を保ちます。

賢い習氏が帝国化構想に着手したとなると、歴史的にみると始皇帝ではなく、ローマ帝国ではないでしょうか?

始皇帝の一族は、わずか15年でその座を追われたのですから。